コラム

column


コラム

相続税の計算の概要について

今回は相続税の計算の流れをわかりやすくご紹介します。
ご家族が亡くなられたときに、遺産を受け取る方にかかるのが「相続税」です。
「相続税って難しそう…」という方も多いと思いますが、基本的な流れを知っておくと安心です。
今回は、相続税の計算方法をできるだけわかりやすくご説明します。


1.相続税とはどんな税金?

相続税は、亡くなった方(被相続人)から財産を受け取った人にかかる税金です。
相続税の計算は、次のような順番で行います。

 ① 相続人が受け取ったすべての財産の合計を出します。
 ② 被相続人の借金や葬式費用を差し引きます。
 ③ 残った金額を「課税価格」と呼びます。
 ④ 「基礎控除額」(税金がかからない部分)を計算します。
 基礎控除額 = 3,000万円 +(法定相続人の人数 × 600万円)
 ⑤ これをもとに相続税の総額を計算します。
 ⑥ 最後に、実際に受け取った財産の割合に応じて税額を分けます。


2.相続の対象となる財産とは?

相続税の対象になる財産には、次のようなものがあります。

 ① 相続や遺言などで受け取った財産(現金・預金・土地・建物など)
 ② 生命保険金や死亡退職金等(税法上、相続したとみなされます)
 ③ 「相続時精算課税制度」を利用して生前に贈与を受けた財産
 ④ 被相続人が亡くなる前の一定期間に贈与を受けた財産(非課税の贈与は除く)
上記④の対象となる期間は、相続開始日によって次のように変わります。

相続開始日 対象となる贈与期間
令和8年12月31日以前 相続開始前3年以内
令和9年1月1日~令和12年12月31日 令和6年1月1日から死亡日まで
令和13年1月1日以後 相続開始前7年以内

また、生命保険金や死亡退職金については、受け取る人が相続人であれば、
「500万円 × 相続人の人数」までが非課税になります。
受け取る人が複数いる場合は、金額に応じて按分して非課税額を計算します。


3.借金や葬式費用は差し引けます

相続税を計算するときには、被相続人の借金や葬式にかかった費用を引くことができます。
具体的には次のようなものです。

 ① 未払いの税金(所得税・住民税など)※加算税や延滞税は除く
 ② 住宅ローンや借入金
 ③ 未払いの医療費
 ④ 社会保険料
 ⑤ 携帯料金や家賃など(亡くなる前までの分)
 ⑥ 葬儀会社やタクシー代など葬儀関係の支払い
 ⑦ お通夜の費用
 ⑧ お寺などへのお布施

ただし、墓地や墓碑の購入費用、香典返し、法要の費用は葬式費用には含まれませんので注意しましょう。


4.相続税の総額を出す流れ

相続税の総額は、次のように計算します。

 ① 課税価格から基礎控除を引いて「課税遺産総額」を出す。
 ② それを法定相続人の法定相続分で分けたと仮定して、それぞれの金額を計算する。
 ③ 各金額に相続税率をかけて税額を出す。
 ④ それらを合計して相続税の総額を求める。
 ⑤ 最後に、実際の取得割合に応じて税額を分ける。


5.相続税の計算例

実際に数字を使って、相続税の計算の流れを見てみましょう。

 ① 相続人:妻Aさん、子どもBさん、子どもCさん
 ② 財産総額:2億円
 ③ 分け方:妻Aさん 2,000万円、子Bさん 8,000万円、子Cさん 1億円
 ④ 基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円
 ⑤ 課税遺産総額:2億円-4,800万円=1億5,200万円
 ⑥ 相続税の総額:2,050万円(仮定)

 

項目 妻A 子B 子C 備考
法定相続分 50% 25% 25%
法定相続分での金額 7,600万円 1,900万円 1,900万円 課税遺産総額×法定相続分
法定相続分による税額 1,580万円 235万円 235万円 相続税率を適用
実際の取得割合 10% 40% 50% 実際の取得財産÷総財産
各人の最終税額 205万円 820万円 1,025万円 相続税総額×取得割合

6.まとめ:まずは全体の流れを知っておきましょう

相続税の仕組みは少し複雑ですが、全体の流れを知っておくと心構えができます。
実際には「配偶者控除」などの特例もあり、税金が軽くなるケースもあります。

相続税の申告と納税は、相続が発生してから10か月以内に行う必要があります。
その間に次のような準備をしておきます。

 ① 財産の確認(どこに・何を・いくら持っているか)
 ② 相続人の確認(戸籍で確認)
 ③ 遺言書の有無を確認(公証役場で確認できる場合もあります)
 ④ 過去の贈与の確認
 ⑤ 遺産分割の話し合い(誰が何を受け取るか)
 ⑥ 話し合いの結果をまとめた「遺産分割協議書」を作成

最近は財産がデジタル化(ネット銀行・ネット証券など)しており、相続人の方が全体を把握するのが難しいケースも増えています。
そのようなときは、ぜひ当事務所までご相談ください。


ご注意

このコラムは令和7年6月1日現在の法令に基づいて作成しています。
できるだけわかりやすい表現を使っていますが、一部は法律上の正確な定義と異なる場合があります。
また、税金の扱いは実際の状況によって異なります。
詳細は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

menu