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コラム
今回は贈与税の計算の流れについて、基本的な考え方をご紹介します。
個人から財産をもらった場合や、明らかに時価より安い価格で財産を譲り受けた場合には、原則として、その財産を受け取った方に「贈与税」がかかります。
親からの資金援助や不動産の名義変更など、日常生活の中でも贈与税が関係する場面は少なくありません。
本コラムでは、贈与税の計算方法と実務上の留意点について、順を追ってご説明します。
1.贈与税とはどんな税金?
贈与税は、財産を渡した人ではなく、財産を受け取った人(受贈者)に課税される税金です。
贈与税の計算は、次の流れで行います。
なお、贈与税の税率には「一般税率」と「特定税率(特例税率)」の2種類があり、一定の要件を満たす場合には、税負担が比較的軽い特定税率が適用されます。
次の要件をすべて満たす場合には「特定税率」となり、それ以外の場合は「一般税率」が適用されます。
具体的な贈与税率については、国税庁のホームページをご参照ください。
国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
2.贈与税のかからない財産について
原則として、財産を無償で受け取ると贈与税が課税されますが、すべての贈与が対象となるわけではありません。贈与の目的や財産の性質などにより、贈与税がかからないものも定められています。
例えば、日常生活に必要な生活費、医療費、教育費として、その都度必要な金額を受け取った場合には、贈与税は課税されません。
ただし、将来の生活費や学費として、1年分や数年分をまとめて受け取った場合には、「その都度必要なもの」とは認められず、贈与税の課税対象となる可能性がありますので注意が必要です。
また、香典や花輪代、年末年始の贈答、結婚祝いや出産祝い、見舞金など、社会通念上相当と認められるものについても、贈与税は課税されません。
なお、「社会通念上相当かどうか」については、金額や贈与の状況などを踏まえて個別に判断されるため、明確な基準が設けられているわけではありません。
3.相続時精算課税制度について
贈与税には、これまでご説明した「暦年課税」とは別に、「相続時精算課税制度」という選択制の制度があります。
この制度は、贈与を受けた時点では贈与税の負担を抑え、将来、贈与者が亡くなった際に相続税としてまとめて精算する仕組みです。
相続時精算課税制度の主な内容は、次のとおりです。
この制度を選択した場合、特定贈与者が亡くなったときには、相続時精算課税によって贈与された財産が、贈与時の価額で相続財産に加算され、相続税の計算対象となります。
すでに贈与税を納付している場合には、その贈与税額は相続税から控除され、最終的に精算されます。
なお、相続時精算課税制度は、一度選択すると、同じ特定贈与者からの贈与については暦年課税に戻すことができません。そのため、将来の相続税まで見据えたうえで、慎重に検討する必要があります。
この制度は、特定の子や孫に生前のうちに財産を移転したい場合や、将来値上がりが見込まれる財産を、贈与時の評価額で固定したい場合などに利用されることがあります。
4.相続税との関連性について(贈与財産の加算)
暦年課税により贈与した財産であっても、一定の条件を満たす場合には、相続税の計算上、その贈与財産が相続財産に加算されることがあります。これを「生前贈与加算」といいます。
これは、生前に贈与を行うことで、相続税の負担を過度に軽減することを防ぐための仕組みです。
具体的には、相続により財産を取得した人が、被相続人から一定期間内に贈与を受けていた場合、その贈与財産は、贈与時の価額で相続税の課税対象に含まれます。
加算対象となる期間は、相続開始日によって次のとおり異なります。
既に贈与税を納付している場合には、その贈与税額は相続税から控除されます。
なお、相続により財産を取得しない方(例えば、相続人ではない孫など)が受けた贈与については、原則として生前贈与加算の対象にはなりません。ただし、遺言などにより財産を取得する場合や死亡保険金の受取人になる場合には、この限りではありません。
最後に
本コラムの内容は、令和8年1月1日現在の法令に基づいて作成しております。
できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい表現でご説明しておりますが、一部、法律上の正確な定義とは表現が異なる場合や、内容を一部省略している部分がありますのでご了承ください。
また、税金の取扱いは、取引の形態や時期などによって異なる場合があります。
実際の適用については、必ず個別の検討が必要です。
ご不安がある方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。