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コラム
こんにちは。入谷で税理士をしている向笠です。
今回は、実務でよく出てくる 減価償却資産 についてご案内します。
パソコン・机・車両・機械などを取得したとき、
「取得した年に全額を費用にしてよいのか?」
迷われる方は非常に多いです。
特に令和8年度税制改正により、少額減価償却資産の特例の上限が30万円未満から40万円未満へ引き上げられました。
今回はこの改正も含めて、実務で使いやすい形で整理します。
1.減価償却資産とは
減価償却資産とは、建物・機械・車両・工具・備品など、
長期間にわたって事業で使用する資産 をいいます。
たとえば次のようなものです。
①パソコン
②プリンター
③応接セット
④自動車
⑤エアコン
⑥看板設備
税務上は、取得日に全額を費用にするのではなく、
耐用年数に応じて数年に分けて費用計上(減価償却)するのが原則です。
2.すぐに費用計上できる2つの特例
ただし、少額の資産については事務負担を軽減するため、特例 があります。
(1) 10万円未満の少額資産の特例
次のいずれかに該当する場合は、その年に全額を費用計上できます。
①取得価額が10万円未満
②使用可能期間が1年未満
たとえば、8万円のモニターや5万円のプリンターなどです。
(2) 40万円未満の少額減価償却資産の特例(令和8年改正)
青色申告をしている中小企業者等は、取得価額40万円未満の資産を取得した年に全額費用計上できます。
改正前は金額が30万円未満でしたが、令和8年4月1日以後の上記の金額に改正されました。
3.40万円未満特例の適用要件
適用には次の要件があります。
①取得価額が40万円未満
②事業で使用を開始している
③青色申告をしている
④中小企業者等に該当する
⑤申告書に必要事項を記載する
また、この特例は年間合計 300万円まで が限度です。
例えば39万円のパソコンを8台取得した場合
⑥7台分:273万円 → 対象
⑦8台目:合計312万円 → 適用対象外(7台目までは適用対象)
このように判定します。
4.中小企業者等とは
次の基準により判定されます。
(1) 個人事業主
常時使用する従業員数が 400人以下
(2) 法人
次の両方を満たすことが一般的な目安です。
①資本金1億円以下
②常時使用する従業員400人以下
加えて、大企業の子会社等に該当する場合は 特例の適用対象外 となることがあります。
5.実務上の注意点
特に迷いやすいのが、消費税込みで判定するか、税抜きで判定するか です。
これは会計処理によって変わります。
①税込経理 → 税込金額で判定
②税抜経理 → 税抜金額で判定
たとえば税込42万9千円の減価償却資産を購入した場合、次のとおりになります。
③税込経理をしている場合 → 42万9千円で判定するため、対象外
④税抜経理をしている場合 → 39万円で判定するため、適用対象
6.まとめ
減価償却資産は、事業をしていると非常に頻繁に登場します。
特に今回の令和8年度改正により、パソコンや業務機器などは 40万円未満であれば特例により即時費用計上しやすくなりました。
設備投資のタイミングによって節税効果も変わるため、次の事項を事前に確認することが重要です。
①取得時期
②取得価額
③消費税処理
④青色申告の有無
令和8年4月1日以後取得分から40万円未満の特例となり、同日前であれば、30万円未満が基準となりますので、ご注意ください。
最後に
本コラムの内容は、令和8年4月1日から施行されている法令に基づいて作成しております。
できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい表現でご説明しておりますが、一部、法律上の正確な定義とは表現が異なる場合がありますのでご了承ください。
また、税金の取扱いは、事業内容や取引の形態などによって異なる場合があります。
実際の適用については、必ず個別の検討が必要です。
ご不安がある方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。