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帳簿や領収書は何年間保存する?電子帳簿保存法の概要と保存期間を解説

帳簿や領収書は何年間保存する?電子帳簿保存法と保存期間を税理士が解説

こんにちは。入谷で税理士をしている向笠です。
領収書等の保存期間や電子で受け取った請求書の保管等についてご質問をいただくことがあります。
今回は、法人や個人事業主が知っておきたい帳簿書類の保存期間と電子帳簿保存法の概要について解説します。

1 帳簿とは
 帳簿とは、個人事業主や法人が、その取引履歴を日々記録するもので、会社法や商法、所得税法、法人税法などで作成の義務が規定されています。
具体的な例として、次のようなものが帳簿として区分されています。
 ①総勘定元帳:勘定科目ごとに、取引履歴が記録されたものです。
 ②仕訳帳:日々の取引を日付順に借方・貸方に分けて記録されたものです。
 ③現金出納帳:現金の入出金の履歴と残高を記録するものです。
 ④売掛金元帳:取引先ごとに売掛金の発生と回収、残高の履歴を記録するものです。
 ⑤買掛金元帳:仕入先ごとに買掛金の発生と支払、残高の履歴を記録するものです。
 ⑥固定資産台帳:保有する土地、建物、車等の固定資産の取得、減価償却、除売却等の履歴を記録するものです。
 ⑦売上帳:取引の日付や得意先名、商品等の数量、単価、販売金額等の取引履歴を記録するものです。
 ⑧仕入帳:取引の日付や仕入先名、商品等の数量、単価、仕入金額等の取引履歴を記録するものです。
 一般的には、販売管理ソフトや会計ソフト、固定資産管理ソフト等でこれらの帳簿は作成がされているものと思われます。

2 書類とは
 書類とは取引を通じて作成又は受領したものや、帳簿作成のために参考にした資料、貸借対照表等です。
 具体的な例として、次のようなものが書類として区分されています。
 ①契約書
 ②領収書
 ③注文書
 ④棚卸表
 ⑤請求書
 ⑥貸借対照表や損益計算書
 これらの資料は紙やメール、Amazonや楽天市場等のECサイト上の表示等、受領方法が多様化しています。
 データで受領したものについては、原則データでの保存が必要となります。データでの保存の際は、データファイル名を「取引日付_取引先名_金額」等のように後から検索・確認しやすいように整理しましょう。

3 帳簿書類の保存期間
(1)法人の場合
  法人については、会社法と法人税法で各々保存期間が定められています。
  ここでは、実務上必要となる保存期間を記載しています。
  各帳簿書類の保存期間は、確定申告書の提出期限の翌日(通常は事業年度末日から2か月後)から次の定める期間となります。
  ①総勘定元帳・仕訳帳等の帳簿:10年
  ②貸借対照表・損益計算書等:10年
  ③領収書・請求書・契約書等:7年(欠損金の繰越控除を適用した場合は10年)
(2)個人事業主の場合
  個人事業主(青色申告)の場合、帳簿書類はその年の確定申告書の提出期限の翌日(原則として翌年3月16日)から7年間の保存となります。

4 電子帳簿保存法の概要と最低限の対策
 電子帳簿保存法(電帳法)とは、帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。強制的に適用される部分と任意で適用が可能な部分があります。
(1)事前準備として必要な事項
  電子帳簿保存法へ対応するためには、次のような環境を整備しておく必要があります。
  ① パソコンやスマートフォン等の電子機器
  ② 保存したデータを確認できるモニター
  ③ プリンターや複合機(税務調査時に必要な書類を出力できる環境)
  ④ インターネット環境
  ⑤ 電子データを保存するフォルダやクラウドストレージ
  ⑥ 事務処理規定(電子データの保存方法や訂正方法を定めた社内ルール)
  ※税務調査の際には、保存したデータを画面上で確認できる状態にしておく必要があります。
(2)電子取引データの保存(義務)
  電子取引とは、電子的な方法で請求書や領収書等を授受する取引をいいます。
  【対象となる例】
  ① メールで受領したPDFの請求書
  ② Amazonや楽天市場等のECサイトでの購入明細
  ③ クラウドサービスの利用明細
  ④ WEBサイトからダウンロードした領収書
  【主な保存要件】
  ① 電子データのまま保存すること
  ② 原則として日付・金額・取引先等で検索できること
  ③ 改ざん防止措置を講じること
  改ざん防止措置には次のいずれかの方法があります。
  ・ タイムスタンプを付与する
  ・ 訂正削除履歴が残るシステムを利用する
  ・ 訂正削除を行う際の事務処理規程を作成・運用する
(3)電子帳簿等保存(任意)
  会計ソフト等で作成した帳簿や書類を電子データのまま保存する制度です。
  【対象となる例】
  ① 総勘定元帳
  ② 仕訳帳
  ③ 売上帳
  ④ 請求書の控え
  【主な保存要件】
  ① 真実性の確保
  (訂正・削除履歴の保存等の改ざん防止措置の導入)
  ② 可視性の確保
  (モニター・プリンター等による閲覧が可能であること)
  ③ 検索機能の確保
  (日付・金額・取引先等によるデータでの検索が可能であること)
(4)スキャナ保存(任意)
  紙で受領した書類をスキャンして保存する制度です。
  【対象となる例】
  ① 紙の領収書
  ② 紙の請求書
  ③ 紙の契約書
  【主な保存要件】
  ① スキャナ又はスマートフォンで読み取ること
  ② 解像度や階調等の要件を満たすこと
  ③ 改ざん防止措置を講じること
  ④ 日付・金額・取引先等で検索できるようにすること
  ⑤ モニター等で内容を確認できること
  なお、紙で受領した書類については、スキャナ保存を利用しない場合は従来どおり紙で保存することも可能です。

 特に電子帳簿保存法については、「どのデータを保存すればよいのか分からない」「現在の保存方法で問題ないのか不安」というご相談を多くいただきます。
税務調査の際に指摘を受けないためにも、一度自社の運用方法を確認しておくことをおすすめします。

最後に
本コラムの内容は、令和8年4月1日時点の法令に基づいて作成しております。
できる限りわかりやすい表現を用いておりますが、一部、法律上の正式な表現とは異なる場合がありますのでご了承ください。
また、税務上の取扱いは、個別具体的な内容によって異なる場合があります。
ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

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