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コラム
こんにちは。台東区入谷で税理士をしております、向笠です。
iDeCo(イデコ)のルールが一部変更され、2026年12月から、掛金の上限額や加入できる年齢などが変わります。
以前のコラムで、企業型DCについてご案内させていただきましたが、今回はその「個人版」ともいえるiDeCoについて解説していきます。
今回は、iDeCoとはどのような制度なのか、どのような人が加入できるのか、そして今回の改正で何が変わるのかについて、できるだけ分かりやすく解説します。
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1.iDeCoとは(制度の概要と趣旨)
iDeCo(イデコ)とは、「個人型確定拠出年金」のことで、簡単にいうと、自分で準備する老後のための年金制度です。
公的年金である国民年金や厚生年金に上乗せして、自分で掛金を拠出して将来の年金を準備する制度です。
企業型DCでは、会社が掛金を拠出して従業員が運用することが基本となりますが、iDeCoでは、原則として自分で掛金を拠出し、自分で預金や投資信託などの運用商品を選びます。
そして、毎月の掛金をこれらの運用商品で運用し、将来、原則として60歳以降に年金または一時金として受け取ります。
iDeCoの大きな特徴は、税金の面で優遇されていることです。
①iDeCoに支払った掛金は、原則として全額が所得控除の対象となります。
②運用によって得られた利益について、通常の投資では課税されるところ、iDeCoでは運用中に税金がかかりません。
③将来、年金または一時金として受け取る際には税金がかかりますが、一定の控除を受けることができます。
年金として受け取る場合は「公的年金等に係る雑所得」、一時金として受け取る場合は「退職所得」として扱われ、それぞれ公的年金等控除や退職所得控除などの制度があります。
ただし、実際にどの程度の税金がかかるのかは、受け取る金額や受給方法、これまでの加入期間などによって異なります。そのため、受給する前に税金についてシミュレーションしておくことが重要です。
このように、iDeCoは「老後の資産形成」と「税金の負担軽減」の両方につながる制度となっています。
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2.制度の対象者
iDeCoは、誰でも自由に加入できる制度ではありません。
国民年金の加入状況や、勤務先の企業年金の加入状況などによって、加入できるかどうかや、毎月拠出できる掛金の上限額が異なります。
主な加入者を簡単に分けると、次のようになります。
①国民年金第1号被保険者(第1号加入者)
自営業者、フリーランス、学生などが該当します。
②国民年金第2号被保険者(第2号加入者)
会社員や公務員など、厚生年金に加入している方が該当します。
③国民年金第3号被保険者(第3号加入者)
会社員などに扶養されている配偶者が該当します。
④国民年金の任意加入被保険者(第4号加入者)
60歳以上65歳未満の方などで、一定の条件を満たして国民年金に任意加入している方が該当します。
なお、会社員や公務員の場合、勤務先に企業型DCや確定給付企業年金(DB)などの企業年金があるかどうかによって、iDeCoの掛金上限額が変わります。
そのため、「会社員なら全員同じ金額までiDeCoに加入できる」というわけではありません。
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3.今回の改正内容
今回の改正では、iDeCoについて大きく2つの変更があります。
①掛金の上限額が引き上げられる
②一定の条件のもとで、60歳以上70歳未満の方もiDeCoを利用できるようになる
それぞれについて確認していきます。
(1) 掛金上限の引き上げ
iDeCoには、毎月いくらでも掛金を拠出できるわけではなく、加入者の区分などに応じて「拠出限度額」が決められています。
今回の改正では、この拠出限度額が引き上げられます。
主な変更は次のとおりです。
| 加入者の区分 | 現在 | 2026年12月以降 |
| 自営業者・フリーランス等(第1号・第4号加入者) | 月額6.8万円 | 月額7.5万円(国民年金基金等との共通枠) |
| 会社員等(第2号加入者・企業年金なし) | 月額2.3万円 | 月額6.2万円 |
| 会社員等(第2号加入者・企業年金あり) | 原則月額2.0万円等 | 月額6.2万円から企業年金等の掛金相当額・企業型DCの掛金額等を控除した額 |
| 第3号被保険者 | 月額2.3万円 | 月額2.3万円(変更なし) |
※実際の拠出限度額は、加入している年金制度や企業年金の状況などによって異なります。
特に大きく変わるのが、会社員などの第2号加入者です。
企業年金に加入していない会社員の場合、現在は月額2.3万円が上限ですが、2026年12月からは月額6.2万円まで拠出できるようになります。
また、企業年金に加入している会社員についても、企業年金等とiDeCoを合わせた共通の拠出限度額が月額6.2万円となります。
ただし、iDeCoについては、企業年金等の掛金相当額や企業型DCの掛金額などを差し引いて計算するため、すべての方が月額6.2万円を拠出できるわけではありません。
一方、自営業者などの第1号・第4号加入者については、iDeCoと国民年金基金等を合わせた上限額が、現在の月額6.8万円から月額7.5万円に引き上げられます。
なお、第3号被保険者のiDeCoの掛金上限額は、今回の改正では月額2.3万円のままです。
(2) 加入できる年齢の引き上げ
もう一つの大きな改正が、iDeCoに加入できる年齢の引き上げです。
現在のiDeCoは、原則として国民年金の被保険者であることなどが加入の条件となっています。
今回の改正では、2026年12月1日から、60歳以上70歳未満の一定の方について、国民年金の被保険者でなくてもiDeCoへの加入・継続拠出ができるようになります。
この新たな加入者は「第5号加入者」と呼ばれます。
対象となるのは、例えば、
①iDeCoの加入者であった方
②iDeCoの運用指図者であった方
③企業年金からiDeCoへ資産を移換する方
などのうち、一定の条件を満たす方です。
「運用指図者」とは、掛金の拠出を行わず、それまで積み立てた資産の運用のみを行っている方をいいます。
ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給している方などは対象外となります。
また、制度開始から3年間は経過措置が設けられており、一定の条件を満たさない60歳以上70歳未満の方についても加入できる場合があります。
そのため、「2026年12月から70歳まで誰でもiDeCoに加入できる」という制度ではありません。
今回の改正は、60歳を過ぎても老後の資産形成を続ける方などが、より長くiDeCoを利用できるようにするものと考えると分かりやすいでしょう。
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4.改正時期
今回のiDeCoの主な改正は、2026年12月1日から施行されます。
つまり、2026年11月までは現在の制度が適用され、2026年12月から新しい掛金上限や加入対象者の制度がスタートします。
特に、会社員の方については、iDeCoの掛金上限額が大きく変わる可能性があります。
例えば、これまで月額2.3万円を上限としてiDeCoに加入していた方でも、2026年12月以降は、勤務先の企業年金の状況などによっては、より多くの掛金を拠出できるようになります。
そのため、現在iDeCoに加入している方は、今回の改正後に自分の掛金上限額がいくらになるのかを確認しておくとよいでしょう。
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5.まとめ
今回は、iDeCoの制度概要と2026年12月から行われる主な改正について解説しました。
iDeCoは、自分で掛金を拠出して老後の資産を準備する制度で、掛金の所得控除など、税金面でもメリットがあります。
今回の改正では、
①掛金の上限額が引き上げられる
②一定の条件を満たす60歳以上70歳未満の方も加入・継続拠出できるようになる
という大きな変更があります。
特に、会社員の方については、iDeCoの掛金上限額がこれまでより大きく引き上げられる可能性があります。
ただし、実際に拠出できる金額は、国民年金の加入区分や勤務先の企業年金の有無、企業型DCの掛金額などによって異なります。
そのため、「月額6.2万円まで加入できる」と単純に考えるのではなく、自分の場合にいくらまで掛金を拠出できるのかを確認することが大切です。
iDeCoは、長期間にわたって利用する制度です。
今回の改正をきっかけに、ご自身の老後の資産形成や税金についてシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
また、iDeCoについては、将来いくら受け取ることができるのかなどを試算できる公式サイトがあります。
ご自身のライフプランを考える際に、活用してみてはいかがでしょうか。
iDeCo公式サイト「簡単実感!iDeCoシミュレーション」
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/
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最後に
本コラムの内容は、令和8年10月1日時点の法令等を基に作成しております。
できる限り専門用語を使用せず、分かりやすい表現を用いております。そのため、一部、法律上の正式な表現とは異なる場合や、説明を簡略化している箇所があります。
また、本コラムについては、次の事項にご留意ください。
①税務上の取扱いは、所得の種類、所得金額、その他の個別事情などによって異なる場合があります。実際の適用に当たっては、個別の検討が必要となります。
②iDeCoの加入資格や拠出限度額は、国民年金の加入状況、企業年金の加入状況、企業型DCの掛金額などによって異なります。実際の制度利用に当たっては、個別の確認が必要となります。
③iDeCoは、原則として60歳になるまで積み立てた資産を途中で引き出すことができません。そのため、ご自身の生活に無理のない範囲で制度を利用することが重要となります。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。